嘘から始まる
・・今、気づいた。


あたし、今、名前も知らない人の腕のなかにいる。


女の子の香水の香りがする。


「・・・離して。」

「ん。」


いとも、簡単に離してくれた。


あんな必死に止めてくれた人、


あなたが、初めてだよ。



みんな、あたしをバカにして、


誰も止めてくれなかった。





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