♡祐雫の初恋♡
「愛(う)い奴だな、慶志朗。
好きにするがよい。
許嫁嬢には誠意を持って断ることだ。
誠意は通ずだ。
後程、爺からも双方の家に詫びを入れるとしよう」
慶之丞は、自身の若い頃を思い出して、
よく似た慶志朗に相好を崩した。
「はい、爺さま。
爺さまのお力添えに感謝いたします」
「まぁ、爺さまは、慶志朗さんに甘いこと。
婆さまは、はらはらしてございます。
婆さまは、麗華さんも琳子さんのどちらも
好いてございましたのに残念にございます」
麗華と琳子とは、幼い頃から親交があり、
祖父母の家にも顔を出すことがあった。
千子は、麗華の佳麗さも
琳子の素直さも、
どちらも甲乙付け難い位に気に入っていた。