♡祐雫の初恋♡

 慶志朗の車が見えなくなると、

 祐雫の瞳からは、大粒の涙が溢れてくる。



 静かな涙だった。



 祐雫は、明るく慶志朗を旅立たせたいと思い、

 
 慶志朗の目の前では、涙を見せたくなかった。


 
 祐雫は、涙を流しながら、

 桜川沿いの道を桜河のお屋敷へと帰っていく。


 桜川沿いの桜並木が緑の葉を揺らして、祐雫を慰めていた。


 夕焼けが哀しみに包まれた祐雫を

 背後から労わるように包んでいく。




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