奏でる場所~SecretMelody~
~奏side~



よし、ピアノの練習終わった!!



練習があるからって、友達の見舞いを放り投げるなんて出来ないからな!



それに、陽輝に早く会いたい。



はぁ…なんなんだこの気持ちは。



たった1日会っていないだけで、こんなにムカムカするものなのか?



…っハ!!



もしかして、奏も何かの病気にかかっていたり…!!



…奏、病気になった事がないから…。



よく、分からない。



ま、この後、宙の病室に行く事だし、宙に聞いてみようかな?




…病気じゃない事を祈ろう…。



―――――――――――――――



コンコンッ



「宙ー?」



奏は少しだけ扉をあけて、中を覗きこんだ。



「え!?奏?」



ボーっと外を眺めていた宙が、顔色をコロっと変えて、コッチをむく。



…考え事かな?



「え、今日来ないんじゃなかったの?まぁ、入った入った!」



「おじゃましまーす…いやー、それがさ、練習、早く終わったもんだから。」



「さすが、奏だね!」



「だろ♪あ、そーいえばさ、宙に聞きたいことがあるんだけど…」



「んー?なになにー?」



奏は、用意された椅子に座らず、ベットの上に座った。



そして、真剣な顔をして、宙を見つめる。



すると、宙の顔も真剣な顔になった。



「奏、陽輝を見ていたら、なんか、胸がドキドキいいだすんだ…。今日も、一日会えないだけで、ムカムカしたり…。でもな、陽輝が女と喋ると、ズキって痛むんだ!これ、なんだと思う?やっぱり、病気か何かか!?」



真剣に絡みあう視線。



だが、それは、宙によって遮断された。



「…ぷっ…クスクス…」



な…!



なんだ!?



なぜ、笑う!?



しかも、お腹を抱えてまで!



「奏…クスッ…。病気だよ、それw」



え!?



やっぱりそうだったか!



…でも、なぜ、笑っているんだ?



「その病名はね、“恋の病気”って言うんだよ!」



…はい?



“恋の病気”?



「なんだ、それは?命にかかわるのか?」



「…ははっ、ホント天然だよね、奏ってww。もう、奏一人じゃ、きりがないから教えてあげる!」



…奏、天然なのか?



どの辺が?



「あ…あぁ…(?)よろしく(?)」



「奏はね、ハルくんに恋してるんだよ!“好き”だって事!」



へぇー奏は、ハルくんが好きなのかぁー







…うん!?



「奏は陽輝が好きなのかっ!!!??」



「そーいう事♪」



か…かかか…




奏が陽輝に恋してる…?



じゃぁ、この気持ちが…



“好き”!?



「ど…どーしたら、いいんだ…?」



「どーするも、こーするも、告白すればいいんだよ♪」



「告白!?」



「そ。気持ちをハルくんに伝えるの。」




な…なんか、大変そうだな、おい。



「取り合えず今日の所はまだいいから、会うだけでもしてきたら?ハルくんに会いたくて来たんでしょ?」



「え…あ、そーだったっ!ありがとうな、宙!明日も来るから!!」




「はーい!」



奏は勢いよく、宙の病室から出て行った。




――――――




「よかったね…両想いだよ、2人とも…。」




―――――――
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