奏でる場所~SecretMelody~
そう思ったときには、俺の体は動いた後だった。




ガンッ!!



鈍い音が周りに響く。





…ありゃ?




俺の腕の他にも腕がのびてきてる!?




ぱっと顔をあげ、前を向くと、そこには俺と同じポーズで立っている女子がいた。




それも、ナンパされてた奴とは別の。




「ん?お前も、こいつ殴ったのか?」




「え…?あ、あぁ。あんたもなのか?」




そう言ってる間に、俺らに殴られたナンパ男は、ペタンと地面に座り込み、気絶した。




ナンパされてた女が俺の方を向く。




「ありがとうございました!あ~…怖かったです…。」




そう俺に言うと、一緒に殴った女に親しげに話だした。




「奏(かなで)もありがとね!」




「良かったな、宙(そら)!連れていかれなくて。」




この女子達友達なんか…。





なーんや。俺、登場する必要無かったやん。





ってか、あれ?




…………宙…??



……今、宙って言った?





宙って…こいつ、もしかして!
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