奏でる場所~SecretMelody~
――――――――――


「よっしゃー!とばしていくぞー!!」



「おー!」



相変わらずノリノリな宙と颯。



それに比べて、超テンションの低い俺と奏。



拓斗は宙を見て、ほほ笑んでいる。



この、馬鹿ップルが。



「なぁ、陽輝!そー思うよな!?」



「何が?」



「まず初めは絶叫系だって!」



「いーや、ハルくん。あたしと同意見でまずは、ゆっくりしたものからだよね!?」



「え…俺は…」



「よーし!こうなったらじゃんけんだ!」



…おーい。



「よっしゃー俺が勝ったー!!ってわけで、あれ乗るぞー!」



「もー仕方ないなー…いこっ、たっくん♪」



「おう!!」



おれれー?



だれだっけなー俺に話を振ってきた奴ゎー?



ってか、話ふったんやったら最後まで人の話をきけや、あいつら!!



――――――――――――


横に4人乗れる、このジェットコースターに、2人と3人に分かれて乗ることにした。



元は宙と拓斗の2人でのデートだったが、チケットが5枚あったため俺達も誘ったそうだ。



だからそれに気を使って奏は“奏はいいから、2人楽しんで”と、俺と颯と座ることになった。



「「やばいやばいやばいっ…」」


ん…?



なんか両サイドがブツブツと…。



「な…なんや、2人とも…。



もしかして絶叫系ムリ…とか?」



「「う…うん。」」



ま…まじかよ。



「では、いってらっしゃーい!!」



そう言って進みだしたジェットコースター。



軽く準備運動のように動いて、“カタカタッ”と上り始める。



そして…



「ぴぎゃぁぁあああぁあぁぁぁああああああぁあぁぁぁあぁああ!」



「ぎゃぁぁぁぁあああぁああぁああぁぁ!?」



俺は、ジェットコースターより、両サイドの叫び声で死にかけました。



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