きみに会える場所~空の上ホテル~
私は反論しようと口を開けた。でもうまく言葉が見つからない。

だって、レイが言ったのって、ほんとのことだもの。他人のパソコンに他人のパスワードを盗んで入ったのは、ほんとのことだ。

うつむいていると、ポンと頭に手が置かれた。レイの手だった。

「何でもかんでも真に受けて落ち込むな」

サキさんも私の肩に手をかけて言った。

「そうよ、美緒ちゃん。お手柄なんだから」

「ま、おれは知ってたけどな」

「何であんたは知ってんのよ」

「さあて、何ででしょう。ご馳走様でした・・・・・・って作ったのおれだけど」

レイは立ち上がった。

「ちょっと、レイ、ごまかさないで」

「お前らもそろそろ支度しないとまずいんじゃねえの」

サキさんと私ははっと顔を合わせた。今日からフロント。チェックアウトするお客さんだっているかもしれない。

「美緒ちゃん、急ぐわよ」

「はい!」

私たちはあわただしく食事をかきこむと、トレイを持って席を立った。





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