きみに会える場所~空の上ホテル~
さっきの男の人が、にこやかに告げた。
「ようこそ、空の上ホテルへ。ご予約を確認いたしますので、お名前をお願いいたします」
なんだ、単なる営業スマイルだったのね。
誰にでもあんな風に笑いかけるのね。
妙にいらだつ気分を抑えながら、私は二人の会話にじっと耳をすませていた。
女性は男の人の問いかけに小首をかしげていた。私の名前を知らないの?と言いたそうに見えた。
「林原ゆり子です」
林原ゆり子!
私は思わず立ち上がった。
思い出した。今朝のニュースで見たんだ。どのチャンネルを見てもこの人のことばかりだった。
林原ゆり子。映画が白黒の頃から活躍してきた大女優。私でも知ってるくらいの有名人。
でも確か、昨日、入院先の病院で亡くなったんじゃ・・・・・・。
「はい、確かに承っております」
フロントの男が、やわらかな微笑を浮かべた。
「ようこそ、空の上ホテルへ。ご予約を確認いたしますので、お名前をお願いいたします」
なんだ、単なる営業スマイルだったのね。
誰にでもあんな風に笑いかけるのね。
妙にいらだつ気分を抑えながら、私は二人の会話にじっと耳をすませていた。
女性は男の人の問いかけに小首をかしげていた。私の名前を知らないの?と言いたそうに見えた。
「林原ゆり子です」
林原ゆり子!
私は思わず立ち上がった。
思い出した。今朝のニュースで見たんだ。どのチャンネルを見てもこの人のことばかりだった。
林原ゆり子。映画が白黒の頃から活躍してきた大女優。私でも知ってるくらいの有名人。
でも確か、昨日、入院先の病院で亡くなったんじゃ・・・・・・。
「はい、確かに承っております」
フロントの男が、やわらかな微笑を浮かべた。