籠の中
 僕は声が聞こえる方向に身体を向けた。そこには希がいた。
「希!」
 僕は動揺とも驚愕ともとれる声を発した。煙草の吸い過ぎもあり喉が渇いた。
「何を寝ぼけたことを言ってるんですか。由美ですよ。佐川由美。今日朝一番で会話したじゃないですか」
 明るい口調で彼女は言った。
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