籠の中
佐川由美、朝もそうだったがあらゆる記憶を総動員しても心当たりがない。一つ間違えれば佐川急便ともイントネーションが被る。だが、彼女には言えない。言ったところできょとんとされるか、軽蔑の視線が向けられるだろう。なぜなら人は名前に対して並々ならぬ執着があるからだ。
「それよりも高津さんこそ何してるんですか?」
彼女は今までの話がなかったような口ぶりだった。そこには誰もいないかのように。
「それよりも高津さんこそ何してるんですか?」
彼女は今までの話がなかったような口ぶりだった。そこには誰もいないかのように。