籠の中
「それは気の毒ですね」
 全然そう思ってなさそうだった。しばし彼女は下を向き沈黙した。何かを思いついたのか顔を上げた。
「それなら、お茶でもしましょうよ。私も暇だったんですよね。高津さんもどうせ暇でしょ。そんな暗い顔をしてたら未来は明るくないですよ」
 愛嬌のある自然な笑顔だった。その笑顔が希を想起させた。
< 124 / 203 >

この作品をシェア

pagetop