籠の中
「誰かに似てますか?」
 彼女は恍けたそぶりを見せた。
「昔、付き合っていた人に」
「ああ、さっき言ってた希って人ですか?」
「そう。非常に似ている」
 その時、ブルーマウンテンコーヒーとカフェオレが運ばれて来た。湯気から立ち昇る深い匂いが鼻孔を刺激した。コーヒー好きにはこのブルマンの甘い香りはたまらない。匂いを嗅いでるだけで唾液が湧くのがわかる。
 チーズケーキとチョコレートパフェも運ばれて来た。一時会話を中断し、僕と彼女は食べることに専念した。
< 129 / 203 >

この作品をシェア

pagetop