彼女の愛すべきドビュッシー
彼女は僕にもたれかかった。

「修君、

 あなたがあたしの曲を

 好きだって言ってくれて、

 あたしがどれだけ嬉しかったか。

 あたしの曲なんて、

 聞いてくれる人いなくて、

 独りよがりに弾いてればいいと思ってた。

 でも、

 聞いてくれる人がいるって、

 好きだってくれる人がいて、

 あたしは変わったよ。

 ありがとう。」

「そんな。」

僕の世界を変えたのは、

僕こそ、君のおかげなんだ。

彼女と手を繋ぐ。

「冷えてきたね。

 戻ろう。」

そういって、

彼女の手をひいて、

僕は建物の陰に彼女を隠して、

人生2度目のキスをした。

「ありあの曲が、

 本当に素敵だった。

 ありあの弾く曲が、

 好きだよ。


 てか、



 君のことが、

 大好きだ。」

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