彼女の愛すべきドビュッシー
大人
それから僕らは大人になった。

年齢は大人になっていくのに、

中身はあのころのままな気がするけど。



僕は先生になった。

彼女は就職して、

仕事をしながら勉強をして、

ピアノの調律師になった。

彼女はきっと

いい音になったピアノで、

真っ先にドビュッシーを弾いていることだろう。
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