あの子




「あ、かいくん」


ほらな。やっぱり君付け。

しかも男に囲まれてんのに、よくそんな意識せず呼べるな。


「これ、たつみくんと、しょうくんと、なおきくんに貰ったんだ。昼休み、食べよ?」


メリットがあるとしたら、コレだな。

俺はひよりの目の前にいる3人のクラスメートを見た。




優越感………



アイツらの顔。

食べんなかい。
呪うぞかい。
なんで幼なじみなんだよかい。


ははっ

すまねぇな、俺だって好きだし、ひよりのこと。



「ん?なにニヤけてるの?気持ちわるぅーい」

「……うっせ」


弁当忘れて食パン1斤頬張る方が気持ち悪いわ!!


「………かいくん(´・ω・`) 」

「あーもー、ほらよ」


俺は弁当箱の中にこじんまりと居座っていた卵焼きをひよりに分けてあげた。

昔から好物だもんな、お前。


そういう物のねだるところ、計算だったら許さねえ。


でも計算じゃないから、そこが良い。






< 12 / 58 >

この作品をシェア

pagetop