あの子
小5くらいだったか?
思い出してもやはり謎だ。
何故あの状況でへそで茶を沸かす?
あれも計算だったら、沸かすどころか煮えくり返るぞ?
大笑いだ、爆笑モノ。
あいつの度胸と天然さに100点。
「だから何にやけてるの?」
「へそで茶…ぷっ」
「はぁ?」
その3年後か。
全国大会出てベスト8。
初出場にしてあの成績。
すごいな。
「足、大丈夫か」
チラリとひよりの足を見る。
左足には、真っ黒いサポーター。
これを見たのは2年前。
ひよりは顔に出さない分、俺がこれを呪っている。
「あぁ、うん。もう大丈夫だよ…」
語尾が濁る。
やっぱり『まだ』か。