あの子





小5くらいだったか?

思い出してもやはり謎だ。

何故あの状況でへそで茶を沸かす?

あれも計算だったら、沸かすどころか煮えくり返るぞ?

大笑いだ、爆笑モノ。
あいつの度胸と天然さに100点。



「だから何にやけてるの?」

「へそで茶…ぷっ」

「はぁ?」



その3年後か。
全国大会出てベスト8。

初出場にしてあの成績。

すごいな。



「足、大丈夫か」


チラリとひよりの足を見る。

左足には、真っ黒いサポーター。

これを見たのは2年前。
ひよりは顔に出さない分、俺がこれを呪っている。


「あぁ、うん。もう大丈夫だよ…」


語尾が濁る。

やっぱり『まだ』か。








< 15 / 58 >

この作品をシェア

pagetop