俺様社長は左手で愛を囁く
「そうか・・・そうだよな」

「そうよ」


「…お姉さんに、挨拶に行くよ」

「お願いします」

・・・

冬美の言った通りだった。

薫子は、美香と正反対な性格。

おおらかで、優しくて、

冬美が決めた相手なら、何も言わないと。

・・・

冬美を頼むと、

頭を下げられた。

まるで、冬美の本当の姉のように。

・・・

オレのそれに応えるように、

深々と頭を下げた。

・・・

そして翌日。

はれて、

帰国する。

最愛の彼女を連れて。

・・・

「そんなにずっと手を繋いでいなくても、

どこにも行かないわよ?」

そう言って笑う冬美。
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