澄んだ空の下で
「あ、…っと、よく分からないんだけど…」
続けて言葉を出すあたしに、恭はもう一度声を出して笑う。
「あれ?嫌い?」
「いや、好きだけど…」
「ほら、好きなんじゃん」
「ま、まぁ…」
やっぱ、掴めない。
冷たいのか、優しいのか。
どっちなのか分かんない。
だけど、係わっちゃいけないような人では、ないと思う。
車が着くまで窓から見える外を眺めてた。
だんだんと陽が落ち、薄暗くなっていく。
車から見える街並みは、初めての道ばかりで、ビルとは違うこの景色に少しワクワクしてた。
「着いた」
暫く経って、恭が口を開く。
車に乗って一時間近くは経っただろうか。
あたしが住んでる所より、よりいっそうビルが建ち並ぶ街だった。
数回しか来た事のない都心は高層ビルで建ち並ぶ。
この街を見ただけで、世界が違うと感じてしまった。
「…どこ?」
凄い建物ばかりが建つ街並みを窓から見つめながら口を開く。
「ここ」
そう言って見上げた高層ビルのマンションは何処かのホテルかと、思う程だった。
要するにタワーマンションだ。