澄んだ空の下で
「恭ってさ、結構強がってんだけど、実際は寂しんだよ。分かるんだ、あたし…小さい頃からずっと一緒だったから」
「……」
「小さい頃はよく、家の事語ってくれてたけど、中学くらいから全くになったけど、きっとあの頃と気持は変わってないはず」
「……」
「どうしようもない奴って、周りから言われてさ。だから最近は本当に何もかもがどうでもよくなってんだろうね、」
「……」
「新しいお母さんとも、うまくいってないみたいだし。むしろ、そんな簡単に再婚したお父さんの事、恨んでるだろーね」
恭がどれほど、悩んで苦しいのかなんて深く考えた事もなかった。
でも、あのビルでいつも居座ってる恭が孤独に感じたのは本当の事。
多分、あたしが知らない以上、はかりしれないくらい孤独感を感じて居たんだろうと思うと、あたしまでもが悲しくなった。
だからと言って何が出来るんだろうか。
「たまに見るんです。恭が女の人…」
何を思ったのか、あたしは口を開いてた。
だけどそれ以上の先の事なんて言えなくて。
「あっ、もしかして落ち込んでるのってその所為?」
さっきとは打って変わって、千沙さんはクスクスと笑みを漏らす。