澄んだ空の下で
「11月の終わり、恭が麗美の店に行って若菜ちゃんを探してた」
「…え?」
「若菜ちゃん電話したら音信不通。だから行ったみたい。麗美がマンション行けば?って言ったら、いやいい。って…そう言ってたみたい」
「……」
そんな事、麗美さん何も言ってなかった。
あたしに気を使って何も言ってこなかったのかは知らないけど。
まぁ、あたしもあまり麗美さんの店を手伝わずにバイトに明け暮れていたからかも知れないけど。
麗美さんの店で働かなかったのは恭が来るから避けてたってのもあった。
屋上だって、恭の姿も、恭と出会いたくないが為に行きたくなった。
だけど、恭があたしを探して、あたしの屋上に行ってたなんて…
理由は分かんないけど、そんな事、聞いちゃうと…
「で、若菜ちゃんどうする?帰る?」
「……」
「俺も強制的には連れて行きたくねえし」
「……」
「おーい。聞いてる?」
「はい…」
「で、どっち?行くの?行かねえの?」
「どっちがいいですかね?」
「え?それ俺に聞いてる?」
「……」
「若菜ちゃんってさ、俺に問いかけんの好きだな」
そう言ってセナさんはクスクス笑う。
「だって…」
「んじゃ、もう俺と付き合う?」
「はいっ?」
「大切にしてあげるから」
「え?」
口角を上げて微笑むセナさんを思わず呆然と見てしまう。
そんなあたしを見て更にセナさんは笑い出した。