僕の可愛いお姫様
「莉世、何だったの。」

ぶっきらぼうに言う瑞穂の感情は読み取れない。
瑞穂にもやっぱり気付かれる程の違和感を残した莉世に、彼は何を思っているんだろう。

「んー。なんだったんだろうねぇ?」

咄嗟に上手い返事が浮かばなくて、曖昧に、微妙な返事をしてしまう。

瑞穂は何事か考える様な表情をしていたけど、直ぐにまた面倒臭そうに息を吐いた。

そんな彼を見ていると、どうしてこうも「省エネ人間」なんだろうと思えてくる。

何に活力を見出し、何なら進んで活動し、何に興味を持つのだろう。
率先して輪の中に入ろうとはしない。
出来るだけエネルギーを使わないのだ。
なのに自分の意志とは反対に、輪の中心に居てしまう、不思議な人だった。

そしてこんなにも「省エネ人間」なのに、彼をここまで動かす彼の「想い人」。
瑞穂の意志が明確に見えたのは、これが初めてだと言ってもいい。
もしも私が完全な第三者だったなら、この状況をもっと楽しんでいたと思う。
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