僕の可愛いお姫様
よく見知った部屋だった。

最後に来たのはいつだったっけ。
シックに纏められた部屋は、「彼」という人間を上手に現していると思う。

モノクロのカーテンを閉め切っているせいだろうか?
部屋が暗く見える。

「ねぇ、折角良い天気なんだし、カーテン開ければいいのに。」

そう提案した私を玄関に置いたまま、彼は部屋に入る。
私もお邪魔していいのか分からずに、立ち尽くす格好になってしまった。

しかし彼はまた直ぐに玄関に戻ってきた。
そして軽く私の手を引いて、笑った。



「もう、誰にも邪魔させない。」

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