僕の可愛いお姫様

闇纏うパンドラ

「あっははははは。」

大口を開けて楽しそうに笑う親友を一瞥して、溜め息を吐いた。

「莉世、笑い過ぎ。」

「ごめん、ごめん。
だって…あの時の梅雨李の顔、本当に…もう…。」

「顔！？」

思い出し笑いが再発したのか、更に笑い声を上げた莉世を、今度こそ無遠慮に睨みつける。

「笑い過ぎだってば。それに『顔』って何よ、『顔』って！」

「だってさ、本当に生気吸い取られたのかってくらいポカーンとしちゃって。そりゃあ、まぁ…無理もないけど。」

あの日、その場に居合わせた親友の莉世。
そして莉世の彼氏であり、私にとっての親友でもある瑞穂。

突拍子もない告白から始まった恋愛は、ことある事に、話のネタにされ続けている。