今ここにいる


懐かしい感じがした


彼の笑顔も


調子いいことばかり話す唇も


初めて会うのに、ずっと前から知っていたようなそんな感じ…



だからかも知れない


いつもなら絶対ないのに…





その存在を強調するように部屋の真ん中に置かれた大きなベッド


なるべく見ないようにしてるのに視界に入ってくる


…こんなところにノコノコついてくるなんて


…遊んでるって思われても仕方ないよね


ほんとうはもう少し一緒にいたかっただけなんだけど


『なんか飲む?』


『えっ?あ、うん』


ソファーの横にある小さな冷蔵庫から慣れた手付きでビールを取り出す彼


…いつもこんな風にこういう所で過ごすのかな


…相手が私じゃなくても



初めて会った人にヤキモチとか


ほんと…どうかしてる私



『あ、私ビールじゃなくて、コーヒーがいい。』


意識しだしたせいで彼の顔を見ることが出来ない



『…平気、自分で出来るから』


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