今ここにいる

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今日は当たりだ


待ち合わせてた店に入っていつものように自己紹介をしてすぐにそう思った



右から二番目に座ってた彼女


いつもなら、迷うことなく隣をゲットして


携番聞いて…って


でも…気になるのに体がなかなか動かない


彼女から見たら俺はどう映ってるんだろうとか


彼氏いるんかなとか


…中学生か俺は


飲み始めて一時間半、俺の隣のヤツが席を立った


ヤツが彼女を狙ってるのはわかってた



だからヤツが掴む前に彼女の手を取ったんだ





ふいに俺を見上げた顔なんか見たらもうヤバかった




とにかく二人になりたかった



派手にピカピカしてる建物に入りずっと握ったままだった手に気付いた


慌てて放して彼女を見たら真っ赤な顔で俯いてた


きっと俺も負けないくらい真っ赤だろう


そんな二人と、このピンクの空間がミスマッチで、何か話をしようと共通の話題を探そうとしたけど、

出会ってから二時間足らず


彼女しか見ていなかった俺は彼女のことを何も知らなかった



『なんか飲む？』



やっと出てきたのはこんな言葉



コーヒーの用意を始めた彼女に


こういう所に来るの初めてじゃないんだな


とか思ったりして


なんだか胸がチリッとした


さっき会ったばかりなのにこんなこと思うなんて


初対面の女にヤキモチとかありえないだろ俺…