ふくらはぎの女(ひと)【完】

邦男もきっと

そうだろう。

もしかしたら、

私以上に。

「じゃあとりあえず、

男の子が産まれたら

名前はスピカな」


それでもなんの心配も

なさそうな顔をして、

そんな事を言って

のん気に笑う。


私の中に宿った

新しく生まれる

まっさらの、命。

できればこの人に

よく似て誠実な、

ハムスター似の

子供であってほしいと思う。
< 50 / 73 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop