『愛してる』って囁いて。
特に話すこともなく、時間は過ぎていった。
これで恋人って言えるのかな......?
そう思ったけど...、今の関係を壊したくないから...、言えなかったんだ。
特に恋人らしい事を何もしないまま────......、高校を卒業した。
その後、お互い名前で呼び合うようになって、たまに会うように。
そういう時間が、本当に幸せで......。
「...なぁ......」
怜の家に遊びに行っていたある日。
沈黙の中、怜が口を開いた。
何だろう......?
「何?」
本を読んでいた私は顔を上げた。
すると───......
いつの間にか怜の顔が顔の前にあって。
唇に温かいものが触れた。