◇桜ものがたり◇

出生


 八千代が神事の業に西の祠へ篭もってから、

ひと月が過ぎようとしていた。



 八千代は、祐里を神の守に据えるべく、

密かに交代の神事を執り行っていた。


 

 祐里は、神の森に潤いが戻り、

穏やかな森の姿を回復してきたのを確認して、

 桜河のお屋敷が恋しくなり、光祐に逢いたい想いが募る。

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