◇桜ものがたり◇

 ある夜のこと、神の森は、嵐の中で猛り狂っていた。


 祐里は、風の音で目を覚ましてから、寝付けずに、

(神の森を冬樹叔父さまにお返しして差し上げなければ、

 いつまでも光祐さまの元へ帰ることができません)

 と、考えながら、嵐の音が心配になって、窓から外の様子を覗っていた。

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