◇桜ものがたり◇
 
 光祐さまは、途中で席を立ち、その様子をバルコニーから見て、

 悔しい思いをしながら

(桜、文彌さんは、なんて傲慢な方なのだろう)

 と、桜の樹に呟いていた。


 文彌と祐里の間に割って入って、どんなに文彌を殴りたかったことか。


 バルコニーの手摺りを握る手に血が滲むほど力が入っていた。

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