世界を滅ぼしかねない魔王に嫁いだお姫様。





「……ル、キ。大、丈夫?」



ルキはミラを抱きしめた。



「……ミラ様を、どこにも行かせたくはありません…!」



初めて、初めてルキの本当の声を聞いた気がした。

ミラは、震えているルキの背中に手を回し、そっと抱きしめ返した。



「……大丈夫だよ。」



ミラはそれしか言えなかった。





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