―君ノ隣―


頭の中が真っ白になった。さっきまで笑って話してたのに。

お姉ちゃんの車に乗り病院に向かった。

車内はシーンとしていて私とお姉ちゃんは一言も話さなかった。

病院に着き病室に向かうと病室の前には、智くんの兄弟たち4人と亜由加たちがいた。



「雪奈!」


「雪奈よく聞けよ。手術は成功した。
ただまだ目を覚ましてない。」


「でも無事なんだよね!?」


「いつ意識が戻るかわからないらしい…。」



うそでしょ。頭の中は真っ白。さっきまで笑ってたのに。

私は力が抜けてその場に座りこんでしまった。

すると紗希ちゃんと秀樹くんが私の頭を撫でた。



「ゆーちゃん!よしよし!」


「みんなでおきるのまとうね!」


「雪奈さん兄ちゃんは大丈夫です!」


「ごめんごめんって言って目を覚まします!」


「…そうだね!」



みんな辛いんだもんね。みんな心配なんだもんね。

智くんを信じて待たなきゃね。

みんなが信じていた。智くんが帰ってくるのを。


だけど現実は違った。

神様…あなたからの試練ですか?悪戯ですか?


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