SAKURA【短編】
やがて満開の桜が咲き乱れる頃


私は完全に彼に溺れていた


彼を求め


自分の全てを


彼に差し出した


彼に求められるなら


命さえも惜しまないとさえ思えた


彼はそんな私を心から


喜んでくれているようだった


そしてまた


いつもの様に彼に抱かれながら


薄れゆく意識の中で


『我が身を保つ
お前の全てが私を保たせる
愛しき者よーーー』


耳元に囁かれる彼の言葉を聞いた





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