いち恋
春は出会いと別れの季節。

よくそうきくけど、
こんなのってありなの?


いきなりこんなのって、
ひどすぎるよ。神様。


別れたばかりなのに
同じクラスになって、
見ないようにしてても、
あたしの目は、
蓮斗のことばかり 
追っちゃう・・・・

聞かないようにしてても、
あたしの耳は、
蓮斗の声ばかり
耳に入れてくる・・・・



せめて違うクラスだったら、
こんな思いしなかったのに。


切ないくらいに、まだあたしの心が
蓮斗が好きって叫んでる。



放課後。


「美桜、うち今日委員会だから
先帰ってて。」

「え!そうだったっけ?
わかったー。」

あやねは委員会かぁ。

あたしは何の委員会にも属してない
だからこういうとき暇になっちゃう。

そういえば、2年の頃は
委員会一緒にはいらないで
よく二人で遊んでたな・・・

帰り道、ひとりで思い出すことは
全部蓮斗のこと。

「蓮斗・・・」

「好きだよ・・っ・」

気づかないうち口にだしてた
自分の想いと、涙。

蓮斗はあたしにとって
はじめての彼氏。

はじめて本気で好きになれた人。

はじめてキスした人・・・

だから余計忘れられないんだ。

「っ・・・ふぇっ・・・っ・・」


蓮斗への想いがどんどん
涙となって溢れてくる。


人目も気にせず帰り道、
あたしは泣いていた・・・







「美、桜・・・・?」




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