S彼
気づかれないように急いで涙を手で拭くと、タクの顔を見た。
すると…。
「ま、オマエがオレのこと好きでいることは嫌じゃねーし、ずっとそのままでもいいからな」
ぶっきらぼうに言い放つと、いきなりタクの顔が近づいてきて私の唇にキスの嵐を降らせた。
突然すぎて、、、。
タクのキスするタイミングはいつもよくわからない。
でも、強引なキスは毎回私を熱くさせる。ココロも身体も…。おかしなくらいキュンキュンするんだ。
いっぱい攻められて、いやってほど鳴かされて。
蕩ける、という感覚はタクが教えてくれた。
それはきっとタクのことが大好きだから。タクが私をそんなに想ってなくても、私がタクを愛してるから……。
東京に行ってからも飽きられないように、私が頑張るしかないんだ。
尽くすことしか脳がなくて、いっちゃんには「いいなり!」って言われても。“私”はなかなかすぐには変えられないから…。
少しずつ、タクと対等になれることが。
今の私の、、、、ささやかな夢なんだ───。
END