腐っても、青春
エロいこと…?


「んなわけねーよ」

オレは慌てて数学の教科書を片付けた。


ノートを閉じようとすると、オレの机の上から大石がノートを取り上げた。


「加藤って、綺麗な字を書くのな」


「そうか?」


うん、と大石が頷いた。

「黒板の字を見て思ったんだよな、綺麗な字だって」



オレはオマエのうなじを見て、綺麗だと思ったぞ。



『勉強のしすぎか、エロいこと考えてたか、どっちかだな』

大石の声が頭の中でこだまする。

エロいこと考えてたか、
エロいこと考えてたか、


「いやいやいや…!」

オレは席から立ち上がった。
大石が驚いた表情でこちらを見た。
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