腐っても、青春
「急にどうしたよ?」



コホン、と一つ咳払い。
怪しいにもほどがある。

「いや、何でもねえし」


ダメだ、オレの頭ん中はオマエのことでいっぱいだ。



なんだよこれ。
どうしたよオレ。



「はい、ノート」

大石からノートを受け取りながら、どうしようもない気持ちをもて余した。




大石とエロいことをしたいわけじゃないんだ。


大石の言動とか、その綺麗なうなじに、エロい気持ちを持っているわけでもないんだ。


だから、

別に、

オレは。


「オレは変態ではないはずだ」


「…はぁ!? 加藤、ほんとにどうしたよ?」



どうしたらいいのかわからない感情を抱えているから、こんなに挙動不審になっているんだ。




 


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