Dear...
つい気持ちが高ぶって泣いてしまったが、車に乗って、落ち着いて。

ようやく、聞きたい事を言葉にできた。


「うん?」

「あの…私に、用があったんですか?」


車が動きだし、先生は私を見ずに……むしろ、私から目を逸らして、答えた。


「待ってたんだ。いつも、木曜は君が僕の所に来てくれてたから、今日は逆にね。びっくりした?」

「びっくりしますよ!…本当に…。」


驚かせる事ができたのを喜ぶ姿が、どこか少年の様で、ドキッとしてしまった。

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