Love Songを君に【Ansyalシリーズ TAKA編】




「これは?」

「どうしても雪貴に
 読んでほしかったの」




唯ちゃんが『雪貴』と
俺の名を紡ぐだけで
心に光が広がっていく。



恐る恐る広げたその手紙は
懐かしい兄貴の筆跡で
あの日の出来事が綴られていた。










あの日、君を
見つけたのは俺じゃない。



俺を探しに来た
俺の弟。



だけど君を助けたのは、
紛れもなく俺だよ。


君を助けることによって
俺自身も救われた。



あの日……
君に出逢わなければ、
俺は俺自身の命を
終わらせていた。


もう長く生きられない。


そう告げられた体を
君に出逢うまでは、
確実に
葬り去ろうとしていた。


だけど雪貴が君を見つけて
必死に叫ぶ声が
俺にそれを思いとどまらせた。



俺が君の元に駆け寄った時は、
すでに弟の姿はなくて、
俺は君に話しかけたんだ。



『おいっ。
 お前、何してんだ。

 こんなところで泣いてさ。

 ここから落ちる気かよ。
 なんだよ、泣くなよ。

 泣いてちゃわかんねぇだろ。

 何があったか知んないけど
 落ち着くまで今だけ居てやるよ』


偉そうに言ったよな。


だけど実際に
救われたのは俺だった。



ありがとな。



残された時間。

俺は
俺にしかできないことを
精一杯続ける。


だから君も
俺たちが助けた命
粗末にすんなよ。



全ての想いを込めて
このCDを
1枚だけ残していく。



良かったら、聴いてくれ。


あの日、
生まれ変わった
俺自身を見つけてくれ。



いつか出逢う俺の弟を
支えてやって貰えると嬉しい。



俺にはアイツを
悲しませることしか
出来ないから。




この広い……
天(そら)の下で。



俺は弟と共に…………
君に再会できる日を
楽しみにしている。





ありがとう。







Ansyal
Taka(隆雪)






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