君と恋する奇跡~優しい笑顔に恋をして~
「じゃあ爽志君、ゆっくりしていってね」



お母さんはそれだけ言うと、部屋から出て行った。



爽志君はそっと、小さなテーブルを挟んだあたしの向かいに座った。



「急に来ちゃってごめんね?事情聞いて、メールしても返ってこないから心配で」



爽志君の顔がとても悲しそうで、本当に心配してくれてたのがわかる。



「…ごめん。メール返すほど余裕がなくて…」



ちゃんと返せば良かったな。


こんなにも心配かけちゃうなんて。



本当に申し訳ない。



「そうだよね。でも、元気そうで良かった」



爽志君は柔らかく笑った。



その笑顔を見ると、なぜか心が温かくなった。



……あたしが今悩んでること、言っちゃおうかな…。



今なら落ち着いて言える気がする。




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