君と恋する奇跡~優しい笑顔に恋をして~
「みーやび!」


聞きなれた明るい声。


まさか……!



あたしの前には、事故未遂のときと同じパーカーを着た、麻里亜が立っていた。


「……ま、まりあ…?どうして…」


あたしは震える声をなんとか出して言った。


麻里亜が……あたしを??


「ふっ、気づいた?」


麻里亜の顔に、不気味な笑みが浮かんだ。


あのとき…。


あたしが誰かに押された日に見たあの不気味な笑みと同じ。


「…まりあが、あたしを押したの?」


「そうよ。アンタなんか死ねば良かったのに!私の好きな人と付き合って!」


麻里亜はそう言い捨てると、あたしの右手を踏みつけた。


「痛い!」


手にできたすれたような傷から、血がうっすら浮かんでいるのが見える。


「覚悟しとけよ!」


それだけ言った麻里亜は、あたしの前から立ち去った。
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