輝く光の中で
九条の人間として
早いもので、季節はすでに、2月に入った。

毎日、育児をしながら、引っ越しの準備もしている。

少し、早くなったが、2月の末には、日本へ向かうことになった。

今年のお正月、日本へ帰らなかったのが、お爺様たちの機嫌を
そこねたみたいで、急遽、お爺様命令で、『2月の末までに、
帰国しなさい』となったのだ・・・・はぁー、年寄りのご機嫌取りは大変!

父たちは、仕方なさそうに承諾したが、何せ、輝が可愛くて
仕方なくて、引っ越しが決まってからは、平日は母に、休みの日は父に
輝を取られっぱなしだ・・・・この子、ちゃんとまともに生きてくれるか
真剣に、心配になった・・・。

そんな、こんなで、いよいよ日本へ出発する日、智と莉那が専用機で迎えに
来てくれて、私と輝の荷物を運び出し、父と母に別れを告げ
私達は、智たちと一緒に、日本へ向かった。

父と母は、3月に帰らなくてはならないので、今回は同行せず、
私達だけの帰国に、父も母も、涙を浮かべながら、手を振っていた・・・。

私の妊娠が分かった時から考えると、とても考えられないほど両親は
輝を大切にしてくれた・・・。ありがたい。

本当に、両親と暮らした1年半、いろんながあったが、今は
心から両親に感謝している。

自分が親になって、少しは父や母の気持ちが分かった気がする。

『本当にありがとう』私は、日本で、頑張ります・・・。

莉那は、久しぶりに見る、輝を、これまたキャーキャー言いながら
ずっと抱っこしたり、おむつを替えたり、離乳食を食べさせたりと
甲斐甲斐しく動き回り、智に、「莉那、俺達も作ろうか・・・」と
言われ、真っ赤になっていた・・・・ごちそう様・・・・。

日本に着くと、迎えの車が来ていて、

「運転手の青木さんだ。これから何かと世話になるから」
と、智が紹介してくれた。

「初めまして、九条 万梨阿です。これからよろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしくお願いします。」

と、紹介が終わると、今日は、本宅へお泊りだそうだ・・・。

専用機に積んだ、荷物を、明日までにマンションへ届けて
くれるので、今日は、本宅で、『お爺様たちのご機嫌を取れ!』
と、智に言われた・・・・。


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