輝く光の中で
結婚式
クレメレンの地を踏んだ今日、空は青く澄み渡り、まるで地球全体が
私たちの結婚式を祝福してくれているようだった・・・。

今日は、私と輝だけが、先に入国し、来週の結婚式には、皆が
こちらに来る予定だ。

九条の専用機で、とりあえず一通りの荷物を持って、入国した。

タラップを降りると、そこには、アルが待っていてくれた。

しかし問題は、そこから遠くの方に、報道陣から国民から
大勢の人たちが、シャッターを切る音と、私たちを実況中継する声と
空港は、騒然としていた・・・。

「はぁー・・・・」ため息が出たが、そうも言ってられない、
アルに、

「アル、私はどうしたらいいの?」と、聞くと

「とりあえず、にこやかに手を振ってくれ!僕と一緒に!」

と、言われたので、一緒に手を振り、輝の手も振ってみた。

そしたら、地響きのような歓声が沸いた・・・・。

そこからは、すぐに空港内の貴賓室に入り、暫くして車の
用意が出来たので、三人で車に乗り、宮殿へ向かった。

ところが、宮殿へ向かう私たちの車の後を、何台もの車が
追いかけて来ていて、それには、目が点になり、まさか
ここまでの出迎えを貰うとは思いもよらず、アルに

「もしかして、私たちは、常にこの状態なのかしら?」

「・・・・・たぶん。そうでなくても、君の情報が、
 あまり報道陣に入って来なくて、彼らも躍起になって
 いるんだよ。
 婚約発表後に、報道合戦のようになってしまって、一応
 万梨阿たちが心配だったから、智に、万梨阿や輝の情報が
 漏れないようにしてもらっていたんだが、それが悪かったのか
 各社が、少しでも万梨阿や輝の姿をおさめたくて、こんな風に
 なっているんだよ・・・・・ゴメン・・・・」

そんな話をしているうちに、宮殿に着いた。
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