輝龍―崩壊篇―【完】





「この言い方は違うか。」




「アイツは…妹を人質に取られたからあっちに従わざるを得なかった。」




「アイツは裏切った訳じゃない。」





俺が言い切ると、二人はあからさまに安堵のため息を漏らした。




「その…妹は?」




さすが龍陽、いいところに気がついたな。




「妹は"俺が"ちゃんと救出したから。」




俺がこう言った時の親父は、柄にもなく間抜け顔で、笑いをこらえるのが大変だった。






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