副社長は溺愛御曹司
けど、嫌ではなく、むしろやめてほしくなくて、半端な知識を総動員して、なんとか応えてみる。

私、ヤマト先輩とキスしてる。


もう夢中で、というか必死でついていくと、ふいに肩が冷えて、着ていたブレザーを脱がされたと気がついた。

えっ? と思う間もなく、先輩の手が、私のブラウスの首元のリボンタイにかかって、金具を外す。

続けざま、上からボタンを3つ4つ外されて、今度こそ頭が真っ白になった。


いえ、先輩なら、いいんです。

いいどころか、ぜひもらっていただきたいくらいです。

なんですけど、いくらなんでも、いきなりすぎる気がします。


割られたブラウスからはだけた肩に、噛みつくようにキスをされて、そのまま身体を倒された。

軽く尻もちをつくような形になった私を、支えてくれながら、先輩の唇が、胸のほうへ下りていく。

そんなところを、誰かにさわられるとか、ましてや口をつけられるなんて、初めてで。


動揺のあまり、私は思わず、先輩から逃げるように、ブラウスの胸元をかきよせた。



「あっ…」



しまった、と悔恨の声が漏れる。

私を見おろす先輩は、きょとんとしていて。

私はその時、改めて、背中にあたる芝生や、先輩のうしろに見える空に、自分と先輩がどんなことになっているのかを、意識し。

たぶん、真っ赤になって、不安と恥ずかしさのあまり、泣きそうな顔をしていたと思う。


先輩は、ちょっと考えるように、首をかしげて。





「もしかして、初めて?」





不思議そうに、そう、訊いてきた。







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