副社長は溺愛御曹司
ごめんね、とヤマトさんが背もたれに背中を預けてため息をついた。
「俺、目が肥えちゃったのかなあ」
確かに、久良子さんたちを基準にしていては、これという人を見つけるのは難しいだろう。
他社の秘書さんを見ていればわかるけれど、彼女たちは、秘書の中でもハイレベルだ。
ヤマトさんが、私を見あげて、困ったように笑う。
「なかなか、神谷みたいな人に、出会えないんだよね」
その言葉は、矢のように。
喜びと痛みを、同時に運んで。
私の心に、突き刺さった。
小さなトレイを握りしめて、妙なことを口走らないようにするのが精一杯だった。
ヤマトさん。
私、あなたのそばで働きたいです。
でも、開発の夢も捨てられない。
どうしたらいいんだろう。
私、何が一番ほしいんだろう。
どうして、どっちも一度に手に入れることができないんだろう。
「なるべく急ぐからね。もう少し、待ってて」
申し訳なさそうに言うヤマトさんに、私は、なんと答えたらいいのかわからなかった。
だって。
誰か、他の人が、ここに立つことになるなんて。
こうやって毎日、ヤマトさんのことを考えて補佐するのが、私以外の誰かになるなんて。
ヤマトさんが、何かあるたびに声をかけるのが、私じゃなくなるなんて。
そんなの。
考えられない。
考えたくない。
「俺、目が肥えちゃったのかなあ」
確かに、久良子さんたちを基準にしていては、これという人を見つけるのは難しいだろう。
他社の秘書さんを見ていればわかるけれど、彼女たちは、秘書の中でもハイレベルだ。
ヤマトさんが、私を見あげて、困ったように笑う。
「なかなか、神谷みたいな人に、出会えないんだよね」
その言葉は、矢のように。
喜びと痛みを、同時に運んで。
私の心に、突き刺さった。
小さなトレイを握りしめて、妙なことを口走らないようにするのが精一杯だった。
ヤマトさん。
私、あなたのそばで働きたいです。
でも、開発の夢も捨てられない。
どうしたらいいんだろう。
私、何が一番ほしいんだろう。
どうして、どっちも一度に手に入れることができないんだろう。
「なるべく急ぐからね。もう少し、待ってて」
申し訳なさそうに言うヤマトさんに、私は、なんと答えたらいいのかわからなかった。
だって。
誰か、他の人が、ここに立つことになるなんて。
こうやって毎日、ヤマトさんのことを考えて補佐するのが、私以外の誰かになるなんて。
ヤマトさんが、何かあるたびに声をかけるのが、私じゃなくなるなんて。
そんなの。
考えられない。
考えたくない。