花送り―宗久シリーズ番外―
「はい、何でしょう」

「先生は、女子高生は射程範囲内ですかぁ?」






教室中が、女子の高い笑い声に包まれた。







…全然授業と関係の無い質問じゃない。






私は、発言した生徒を軽く睨む。



目立ちたがりな人。








先生は、困った様に笑ってる。





「射程範囲内って何かな?」

「まぁ、女子高生は好きか嫌いかって意味だよ」

「二者択一じゃないとダメなのかな?」

「ん〜…どっちでもいいよ?」






ふぅんとうなづく先生。




繊細そうな指で、柔らかそうな黒髪を掻き上げてる。




窓から差し込む光が、先生の整った顔を横から照らしていて、その陰影が綺麗だなと思った。









でも私は、目を反らした。


うつむき、机上に視線を落とす。











先生………。




お願いだから、嫌いとは言わないで。



嫌いと言われたら、私にも望みが無くなる気がするから……。









祈ってた。




先生、私に可能性を、希望を残して……。





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