Hina
しかしちょっとこれは、いくらなんでも無理か。
せめて悠介がいてくれたらなあ・・・・・・そう思いながらも予定を狂わされて面白くない俺は、やけになって彼女に声を掛けた。
しかもひどくぶっきらぼうに。
「ねえ、誰か待ってるの?」
女は驚いて振り向いた。
見開いた瞳が、顔の三分の一になった。
「えっ、誰も待ってないですけどぉ」
なんなんだ、この女。雰囲気と喋り方が合ってないぞ。
「どうしたの?寒いのにこんな所に・・・・・・何か予定が狂っちゃたの?」
「えー、別に予定なんてないですけどぉ」