Garnet~大好きの伝え方
「やっぱ、先輩だ……」

どこか安堵したような、なにか納得したような表情で、北川くんが歩を緩める。

彼は私から少し離れたところで、止まった。

本当に記憶も新しいついこないだ、私は彼にごめんなさいを伝えたばかりだ。

だからどうしても、彼を真っ向から見てあげることができない。

思わず、鞄を体の前にもって、肩を縮み込ませてしまった。

ふり魔になってる私でもさすがに、視線が少し下がる。

「先輩」

と、北川くんが言った。

「俺、聞きましたよ。園田先輩と喧嘩したンすよね?」

「えっ」

しかも、突拍子なく。

だけど、とても真剣に。

「先輩、なんでそんなに園田先輩にこだわるンすか。先輩には園田先輩より、もっといい男が――っつぅか、俺なら絶対、先輩を傷つけたりなんかしないッスよ」

「……」

彼の拳が握られ、一歩、距離が近づく。
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