Garnet~大好きの伝え方
そうしていきなり、はっとする。

もしかしたら、もしかしたらヨシはもう戻ってこないかもしれない。

私が、バカって言ったから。

一瞬でも、私のほうがヨシを跳ね除けたから。

もう、ヨシは振り向かないかもしれない。

私さえヨシを受け止めてあげられるようにしていれば、ヨシは必ず戻ってきてくれる。

そんな無意識な自信がずっと、私の中にはあった。

なのに、なのに私までヨシに背を向けてしまった。

まだ、間に合う……?

もう、間に合わない……?

今から走っていって、ヨシを捕まえて、ごめんねって言えば……

ごめんねって言えば、もしかしたら――!
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